実は、月経のある約7割の女性にみられる月経前症候群(PMS)ってご存知ですか?
生理は約1か月の性周期で子宮内膜が出血をともなってはがれ落ち、体外へ排出されることです。様々辛い症状はこの周期的なホルモン変化によって多くの女性はそのつらい症状を経験しています。
月経前症候群(PMS)とは
月経開始の3~10日前から起こる心身の不快な症状で、日常生活に支障をきたし、月経が始まると、症状が軽減もしくは消失するものを月経前症候群(PMS)と言います。
≪PMSの主な症状≫ 【あなたにこんな症状はありませんか?】
- 身体的症状 乳房痛、手足のむくみ、下腹部痛、頭痛(片頭痛)、腰痛、便秘
- 精神的症状 イライラ、抑うつ状態、不安感、興奮しやすい、集中力が落ちる
PMSは生理のある女性の70%は月経前に何らかの症状があると言われています。排卵のある女性であれば誰にでも起こり得る症状です。ただ月経の周期ごとに繰り返し現れるので、非常に煩わしいものです。またPMSの2~10%の女性は日常生活さえも困難になり、特に精神症状が強く現れるものを月経前不快気分障害(PMDD)といい社会生活や人間関係にも影響を及ぼしますので治療が必要です。
海外では40年以上も前からPMSの研究が進められていますが、残念ながら日本国内ではPMSという言葉が知られるようになったのはここ数年であり、そのために症状が出ていても独りで悩む女性が少なくありません。もう1人でがまんするのはやめましょう。
PMSの治療法として
非薬物療法:適度な運動(有酸素運動やリラクゼーション)、食事療法ではカフェイン・塩分を控えてバランスのよい食事をする。
薬物療法:第一選択肢としてSSRI(セレトニンをアップさせる)があげられていますが、やや悪心を副作用として訴える方が多いので、やはり低用量ピルが一番有効かと思います。
PMSの診断は色々複雑な症状はでますが、その症状の発現時期を考えますと容易ですので、ぜひ早めに来院してください。 この病気も取りあえず低用量ピルを飲んでいただければ、うそのようにその症状がなくなる特長があります。