最新の月経(生理)に関連する病気や症状に対するLEP製剤(低用量ピル)での治療
1.月経前症候群(PMS):2人に1人は経験しています。
●カラダの症状
下腹部が痛い・張る・重い
乳房が張る・痛い
頭が痛い・重い・めまい
肌荒れ・にきび・化粧ののりが悪い
むくみ/疲れやすい/だるい/眠い/肩こり/手足が冷える
食欲が減る・増す/便秘/下痢/アレルギーがでる/おりものがでる
●ココロの症状
イライラする/怒りっぽくなる/無気力/憂鬱/気分が落ち込む
弱気/不安/集中できない/興奮しやすい/悲しくなる
緊張感/絶望感
2.月経困難症(生理痛):40%の女性が経験しています。
生理痛のある女性のうち、子宮筋腫・子宮内膜症などの器質的な病気が無い、機能性月経困難症(ホルモン的な生理痛)が47%です。しかし、20代女性ではほとんどがこの機能的な生理痛で、病気が無くても痛いものは痛いという状態ですのでLEPで自然と痛みが無くなっていきます。
3.機能性過多月経:20~50%と推測されます。
子宮筋腫・子宮内膜症・血液の疾患がないにもかかわらず生理の量が多い状態のことですが、かなりの割合で鉄欠乏性貧血になっています。生理の量は自分では他と比べようが無く、多いか少ないか分からないと言われるケースがほとんどです。しかし、Hb(ヘモグロビン量)、Feの価で貧血の有無は簡単に分かります。
4.生理前にひどくなるニキビ
皮膚科的な治療や漢方での治療が効きにくいニキビです。また、LEPを服用している欧米の女性は明らかにニキビが減ってきています。
上記1~4は、低用量の卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤(LEP製剤)で、ほぼ完全に、またスムーズに治っていきます。
LEP製剤(Low does Estrogen-Progestin)とは、低用量ピルの成分と同じものですが、避妊に対してのピル(OC)ではなく、上記1~4等の症状の治療を目的として最も便利でコストも安い薬剤です。(日本では生理痛に対してのみの保険薬です)
欧米では20年前より、日本でも東京が中心ですが、かなり普及してきています。
当院では15年程前より、上記1~4の治療の為にLEP製剤を使っています。
また、LEP製剤のメリットとして以下の3つのがんのリスクが大きく下がります。
1.子宮体がん(子宮内膜が非常に薄くなるため)
2.卵巣がん(無駄な排卵回数が減少するため)
3.大腸がん(性ホルモンの安定性を得られることで、大腸の腸内フローラが心地よくバランスを得られるため)