新しい低用量ピルについて
ピルは、正しく服用すればほぼ100%避妊できます。服用をやめれば、速やかに自然な月経周期が回復し排卵が再開され、体内に蓄積されることはありません。
最近では避妊目的だけでなく、月経痛などの女性特有の諸症状、ニキビの治療にも処方されています。以下に、8つのメリットを示しています。
月経痛の軽減、
周期が正しくなる
月経機関が短くなり
出血量が減る
PMS(生理前のイライラ等)
が改善される
子宮内膜症の
神鋼抑制と
再発防止
無月経・月経不順
卵巣機能不全の
治療
プレ更年期
更年期症状が
改善される
ニキビや多毛症が
改善される
卵巣がん、子宮体がんの
リスクが減る
関連ページ
低用量ピルの処方
低用量ピルの服用について
21錠タイプ
21錠のピルの場合、生理開始日からピルの服用を開始します。 毎日、決められた時間に1錠づつ服用し続けます。 21日間服用し、その後7日間服用を休止するタイプです。最後の錠剤を飲み終えた後、月経のような出血があります。 この28日を1周期として7日間のお休みが終わったら新しいシートの服用を開始します。
28錠タイプ
飲み忘れを防ぐために最後の7錠はホルモンの入っていない錠剤(プラセボ錠)がついたタイプです。 28錠のピルの場合、生理開始日からピルの服用を開始します。 21錠のピル同様に、毎日、決められた時間に1錠ずつ服用し続けます。プラセボ錠服用中に月経のような出血があります。 この28日間すべて服用したら新しいシートの服用を開始します。
当院の取扱い低用量ピルと費用
取扱い低用量ピル | 価格 |
---|---|
マーベロン28[1シート] |
2,750円 |
低用量ピルの避妊効果について
もし正しく服用できなかった場合は、避妊効果が下がりますので、その場合はお電話でお問い合わせいただければご案内いたします。
なお、上記以外で避妊効果が下がる原因は、ひどい下痢が続いたり、他の薬との組み合わせ、ハーブなどのお茶の大量摂取があります。
低用量ピルの副作用
開発当時(1960年代)のピルは、含まれるホルモン量が多く、副作用を引き起こす例もあったため、「副作用が怖い」というイメージが作られる原因となりました。
しかし、新しい低用量のピルは、ホルモン量が少なく成分が全く違いますので、副作用の発生率もかなり低くなっています。
吐き気、不正出血、頭痛、乳房の張りなどの不快な症状を訴える人もいますが、体が慣れるまでの一時的なものです。症状の多くは、1~2ヶ月で軽減します。また、ごくまれにみる副作用として静脈血栓症*があげられています。
静脈血栓症とは
静脈内にできた血の塊(これを血栓:けっせん)が、血管内につまる病気のことをいいます。正常な静脈内腔には普通血栓はできませんが、血栓症になる三大原因を以下に示します。
a : 血流の停滞しやすい方
これは、ほとんど普通の生活ができない高齢者・手術後、長くベッドで寝ている患者さん・長時間のフライト(エコノミークラス症候群)・妊娠されている方・肥満の方・喫煙者です。
b : 血管内膜損傷のケース
手術や外傷(けが)の方、カテーテルを挿入していて静脈の血管壁が損傷されて、血栓ができやすいケースです。
c : 血液の凝固能(固まりやすさ)が亢進しているケース
まさに血液が固まりやすい状態のことですが・脱水・手術・妊娠・がん・炎症性の腸の病気・腎臓の病気でネフローゼ症候群・喫煙者です。
ですから、静脈血栓症は、主に、内科的な病気や外科的な手術やカテーテル、喫煙など基本的な原因があって起こる病気です。
低用量ピルは、血栓ができやすいと言われていますが、確かに上記a. b. c.に分けて紹介しました病気の方には、使うことはできません。しかし、厳重にチェックすることで、高頻度におこることはありません。
当院は、具体的に上記の病気の方のチェック、喫煙者、肥満の方(これは、BMI値で判定します) への処方は、原則的には困難です。
また、どうしても血栓が心配な方には、Dダイマー(血栓ができやすい方の血液の検査)を測ることもできます。自費2,500円
BMI値とは
BMI=(体重÷身長m÷身長m)で、26以上の方
関連ページ
ご注意事項
服用できない・服用に注意が必要なケース
下記のような病状や状態の人は服用できない、もしくは注意して服用する必要がありますので、必ずご相談下さい。
- 乳がん・子宮体がんにかかっている
- すでに血栓症にかかっている
- 35歳以上で1日15本以上タバコを吸う
- 糖尿病
- 心臓・肝臓・腎臓に病気がある
- コレステロール値や中性脂肪・血圧が高い
- 現在妊娠している、または妊娠している可能性がある
- 現在授乳している など
低用量ピルの服用にあたり定期受診(年1回程度)していただきたい検査
低用量ピルを安心して服用いただくために、下記の検査を年1回程度受けられることをお勧めします。
肝機能検査(血液検査)
ピルに限らず薬剤を内服すると、肝臓に負担がかかることがあるため、検査が必要です。
超音波検査
まず、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮体がん、卵巣がんなどが現在あるかどうかを調べます。
そして、この時点でこれらの病気がなければ、今後なっていく可能性が少なくなることをわかっていただく意味で行っています。